副業を考えている方(私の場合、週末起業実践会の認定コンサルタントをやっていますが、週末起業を考えている方)から、よく質問されるのが、「ビジネスを始めるにあたって、開業届って出さなきゃいけないんですか?」ということです。
結論からいうと、開業届を提出せずとも、ビジネスをやっても問題ありません。
では、次に開業届を提出するのがよいのか、提出しない方がよいのかです。
こちらも結論から。
開業1年目の所得(収入から経費をひいたもの)が20万円を超えると予想されるのであれば、提出したほうが良いです。かつ青色申告をした方がよいです。
その理由を以下でご説明します。
開業届を出すかの否かの判断基準
開業届を出さずに、ビジネスでの所得が20万円未満に満たなかった場合には、そもそも納税する必要がありません。(確定申告も不要です)
しかし、開業届を提出してしまい、個人事業主になってしまうと、所得が20万円未満であっても、確定申告が必要で、かつ税金がとられてしまいます。
したがって、あまり売上の見込みがないのに、開業届を提出してしまうと、納税額が増え確定申告の手間が発生してしまいます。
なので、あまり収入が予想できないのであれば、開業届を出さない方が良いです。
なお、開業届を出さなかった場合には、副業で得た所得は”雑所得”となります。
20万円以上の所得が出た場合には、確定申告をして納税します。
開業届を出すメリット
では、なぜ開業届を出した方がよいかというと、経費として見込める項目が増えるからです。
雑所得の場合には、ビジネスに直接かかった費用しか経費として計上できません。
例えば、ネットでリンゴを売った場合、経費とできるのは、リンゴの原価と送料くらいです。
けど、実際にはPCを使ったり、インターネットを使ってますよね。
開業届を出すと、これらも経費に見込めるようになります。
例えば、携帯電話代や家賃の一部も経費とすることができます。
(あくまで自分のビジネスとして、利用しているという説明ができる範囲ですが)
極力、税金は払いたくないですよね。
であれば、所得(=収入-経費)を減らすことができる開業届を出した方がメリットがあるのです。
なお、開業届を提出すると、事業で得た所得は”事業所得”になります。
青色申告にした方がよい理由
また、開業届を出すのであれば、青色申告にした方が良いです。
青色申告にすると
・65万円までの所得が特別控除になる。
・赤字を最大7年繰り越せる
・家族への給与を経費にできる
・貸倒引当金を経費にできる
などのメリットがあります。
デメリットとしては、
・複式簿記で作成した決算書(BSとPL)が必要になります。
複式簿記で作成した決算書は、税理士に依頼して作成してもらうか、自分で作成する必要があります。
青色申告ではない場合には、白色申告といいますが、この場合には複式簿記の決算書は不要で、お小遣い帳的な収入と支出がわかる一覧があれば申告はできます。(Excelでできます)
(青色申告でも10万円控除であれば、決算書は不要)
が、青色申告のメリットを考えると、開業届を提出するのであれば、65万円控除を受けられる青色申告にした方がよいと個人的には考えます。
(私は法人と個人とがあるのですが、両方とも青色にしています。)
freeeやマネーフォワードを使えば、自分で決算書を作成することができます。
(ただし、利用料がかかるので、この面でもあまり収入がないのに、開業届を出すと費用だけがでていってしまいます)
注意点は、開業届を提出してから2か月以内に青色申告書を提出しないと、その年は恩恵をえられなくなってしまうことです。
、開業届と青色申告をセットで出すとよいと思います。
(親切な税務署の方は、「青色申告書も出しますか?」と聞いてくれます。
まとめ
開業届を提出するのがよいのか、提出しない方がよいのかです。
こちらも結論から。
開業1年の所得(収入から経費をひいたもの)が20万円を超えると予想されるのであれば、提出したほうが良いです。かつ青色申告をした方がよいです。
最後に。個人的には、1回は確定申告を自分でやった方が良いと思います。
思っている以上に税金を払っているんだ、ということを実感することができます。
マジで高いです。
確定申告をすると、世の社長が節税したい気持ちがわかると思います。
節税については、こちらの記事もご参考にしてください。
合法的な節税+将来の年金づくりに「小規模企業共済」
なお、損益通算をすると、逆に会社が払い過ぎるという結果になるのでバレる可能性がありますので注意が必要です。
会社バレ対策については、こちらの記事をご参考にしてください。
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